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うらばなし #26

音楽の選び方 その2

 「うらばなし #25 音楽の選び方 その1」に続き、内容については、実際にこの記事を書いている前ちゃん個人の意見です。なので、「前ちゃんの音楽の選び方」と思ってもらえばよいです。

 ネット公開のもので使える音楽を選び、よいものが見つからなかったら、次はCDなどの中から探す作業に移る。
 前ちゃんが演出を手掛ける場合、音楽のほとんどを、趣味であるウルトラマンシリーズのBGM集の中から探すことになる。

 なぜウルトラマンシリーズかという理由は次の三つ
(1)家にCDがたくさんある(買う必要がない)
(2)音楽の大半を記憶しているので、聞く前からある程度候補を絞れる
(3)ドラマの性質上、いろんなシーンの音楽がそろっている

 (1)と(2)については説明不要であると思うので、(3)だけ少し説明をする。
 ウルトラマンシリーズの場合、子供向けの三十分番組であり、事件が起こってそれを解決するという、起承転結がわかりやすい構成のため、それぞれの場面で使われるさまざまな性質の音楽が充実している。
 物語冒頭の平和を表現する音楽、怪事件が起こったときの不安を表現する音楽、主人公の苦悩を表現する音楽、怪獣や宇宙人の恐怖を表現する音楽、困難に立ち向かう勇気を表現する音楽、事件を解決して再び平和を取り戻した大団円の音楽…… などなど。
 使ってみたことはないが、仮面ライダーやプリキュアなど子供向け番組のBGMは、音楽を選ぶという点においてみれば、かなり使い勝手がよいのではないだろうか。

                     
                    
    実際にこれまでの公演で使用したCD

 子供向けにしろ大人向けにしろ、ドラマやアニメのBGMは、台詞が流れる中で使用することを前提に作られているため、かなり使いやすい。

 一度、かっこいいと思ってジャズを使おうとし、CDを何曲も聴いたが、使えそうなものがなく断念したことがある。やはりBGMとして作られているわけではない上に、ジャズは曲調が個性的であるため、使用できる範囲はかなり狭いのだなと思った。
 同じく、本来歌詞が入る曲の歌詞抜きのもの(カラオケとかインストゥルメンタルと表記されるもの)も非常に使いにくい。その歌詞に合うように作られているものであり、歌詞を抜いたところでBGMとしては使えないのだ。とくに、どの歌も冒頭部分が強く作られているため、演劇でそれを使おうとすると、いきなり強く音楽が入ってきてしまい、雰囲気が壊れてしまう。

 結局、演劇で使用する音楽は、いくら曲そのものが素晴らしかったとしても、”演劇に使えるもの”でなければダメなのだ。一番上等な肉を使えばおいしいハンバーガーや牛丼ができるわけではなく、それぞれその料理に適する肉を選ばなければいけないというのと同じことだ。

 また、そうして選んだ音楽も、いざ稽古で流してみると、何だか雰囲気にミスマッチで使えないということもある。役者の台詞のテンポや雰囲気と音楽のそれとがうまく噛み合わず、「何か変」「何か合わない」「何かちがう」という印象を受けるのだ。

 公演後のアンケートでは、当然ながら脚本や役者の演技などについて書かれることがほとんどであり、音楽に対する御意見をいただくことはあまりない。しかし、実は音楽を選ぶのにもそれなりの苦労をしているし、だからこそ物語全体に深みや面白さを与えるのに音楽はとても重要な役割を担っている。
 もっとも、音楽についての御意見があまりないということは、物語にちゃんとマッチしていた(不自然ではなかった)ということであると思うので、それは成功の証なのだと受け止めている。

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