うらばなし #35

『ひとかけらの命』の名前の秘密

 第七回公演『ひとかけらの命』は前ちゃん執筆による四度目となる劇団オリジナル脚本である。
 さて、前ちゃんが書いた脚本の登場人物といえば、その名に何らかの意味が含まれているという遊び心があるのが定番となっている。
 もちろん今回もまた、五名の登場人物それぞれに意味が隠されている。

 まず、主役である自称・天才の瀬谷志郎。
 ”瀬谷”という苗字をローマ字にすると”SETANI”。これを入れ替えると”TENSAI”すなわち”天才”になる。
 そして志郎という名前であるが、これは前ちゃんが好きな児童向け推理文学シリーズ「夢水清志郎事件ノートシリーズ」(作:はやみねかおる)に登場する名探偵(?)の夢水清志郎からとっている。

                    
          
                     瀬谷=SETANI ⇒ TENSAI

 
次に、瀬谷の助手である岩崎優。ふざけた言動の多い瀬谷へのツッコミキャラとしての位置づけも大事な彼女の姓”岩崎”は、先述の「夢水清志郎事件ノートシリーズ」に登場し、常識外の言動ばかり取る夢水に対するツッコミのポジションである岩崎三姉妹からとっている。
 岩崎三姉妹は三つ子であり、亜衣、真衣、美衣という名前。つまり、英語の一人称代名詞である「I,my,me」となっているので、瀬谷の助手の方の岩崎には二人称名詞「you」からとって”優”と名付けた次第である。

 そして、舞台となるC・S・C・I研究所の研究者である、斉藤千歳、遠藤充、須藤武。いずれの苗字も「藤」という字が付くが、その前にある頭文字をつなげると”斉遠須”(サイエンス)になるというわけである。

 また、物語の中心となる貴重ながん細胞――YN07細胞。YNは”夢波”から、07は第七回公演であることに由来している。

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